こんばんは、元簿記講師です。
今日は、帳簿の書き方についてお話していきます。
簿記上の取引とは?
前回の講義にて、簿記は帳簿(ノート)に日記帳のように会社で起こった事(取引という)を記録していく事であると説明しましたね。
ただし、会社で起こったことを全て記録するわけではないのです。
つまり、記録するものと記録しないものがあるのです。
例えば、次の出来事が会社で起こった場合帳簿への記録は行う必要があるのか考えてみましょう?
1.銀行で手持ちのお金10万円を普通預金に預け入れた。
2.商品が1つ売れて、2万円を受け取った。
3.会社のお金5万円が無くなった。
4.来月から新たに倉庫を1か月25万円で借りる契約をした。
5.5万円で商品の仕入れを行った。
ヒント
・資産、負債、資本、費用、収益の増減がある事は記録しますよ。
⇒会社の持ち物が増えたり減ったり、費用や収益が発生したら書く
イメージですね。
答え:1.〇 2.〇 3.〇 4.✖ 5.〇
4番は、借りる契約(約束)をしただけなので帳簿に記載しないのです。
ちなみに同時に来月の家賃を支払いをしている時は、記載は必要となるので
要注意ですね。
具体的に何を帳簿に書くの?
- 取引があった日
- その取引は何が増えたり減ったりしたか又はどの費用や収益が発生したのか
- その取引はいくら(何円)か
- 増えたのか減ったのか
- その他補足事項(例えば商品名等)
勘定科目
帳簿に何が増えたり減ったししたのかを記録する際に使用する名前のことを勘定科目といい、例えばお金が増えた、減ったという事を帳簿へ記載する際には「現金」が増加(減少)と書きます。また、その増減は必ず金額(何円等)にて表します。つまり会社で今日100万円の車を購入した際には、車両(車の事を示す勘定科目)100万円増加と記入するのです。(1台増加したとは書かないのです)
借方(かりかた)、貸方(かしかた)
先ほど、勘定科目を使用して金額にて記入をするという事をお伝えしました、その金額が増減をどのように表すのかについてですが、こちらは「+」や「-」ではなく「借方」(左側)、「貸方」(右側)という、記入する方向で増減を表示していきます。
具体的には、「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」によって次のよう決まっています。
こちらについては、記入のルールとして覚えていただくしかありません。(お願い!)
また、それぞれどのような勘定科目があるかも合わせて覚えていただく必要があります。(再お願い!!)
仕訳をしてみよう
会社の帳簿に取引(簿記上の取引)について記載していくことを仕訳をするといいます。ちなみに、今会社でも「これ、仕訳おねがいします」とか普通に使われていますよ。
それでは、実際に会社で起こった事(簿記上の取引)を帳簿に記載(仕訳)していきましょう。まずは、先程のおさらいですね。
これは、先程説明しました仕訳のルールを簡単に表した取引の8要素といわれる表ですので、これを見ながら仕訳を考えていきましょう!(こちらの表の方が覚えやすいかも、私はこちらで覚えたと思います)
例1: 9月11日 手元のお金5万円を銀行で普通預金に預け入れた。
答え: 9/11 普通預金 50,000 / 現金 50,000
解説
資産の勘定科目である普通預金の増加と資産の勘定科目である現金の減少が
発生している取引であるので、上のルールに当てはめると・・・
普通預金(増加)⇒ 借方
現金 (減少) ⇒ 貸方
となる。
例2: 10月5日 銀行より100万円の借り入れを行い現金で受けとった。
答え: 10/5 現金 1,000,000 / 借入金(かりいれきん) 1,000,000
→注意「しゃくにゅうきん」ではありません
解説
資産の勘定科目である現金の増加と負債の勘定科目である借入金の増加が
発生している取引であるので、上のルールに当てはめると・・・
現金 (増加) ⇒ 借方
借入金(増加) ⇒ 貸方
となる。
例3: 5月25日 商品を10万円仕入れ、現金で支払った。
答え: 5/25 仕入 100,000 / 現金 100,000
解説
費用の勘定科目である仕入の発生と資産の勘定科目である現金の減少が
発生している取引であるので、上のルールに当てはめると・・・
仕入 (発生) ⇒ 借方
現金 (減少) ⇒ 貸方
となる。
例4: 3月23日 商品を3万円売上げ、代金を現金で受け取った。
答え: 3/23 現金 30,000 / 売上 30,000
解説
資産の勘定科目である現金の増加と収益の勘定科目である売上の発生が
ある取引であるので、上のルールに当てはめると・・・
現金 (増加) ⇒ 借方
売上 (発生) ⇒ 貸方
となる。
重要!
この仕訳をするという作業の繰り返しが、簿記検定試験合格にためには、非常に大事なものとなりますので、みなさまは、問題集等にてこの仕訳をたくさんすることで、簿記というものに早めに慣れておいてください。また、過去の日商簿記検定3級の第1問(予想配点20点、5題×4点)にほぼ出題されているため取りこぼしの内容にしっかり学習していきましょう。
これは本当にとても重要ですよ。
私が学習の時に使ったテキストについては、初心者が簿記検定受験に失敗しないテキスト選びに書いていますので気になる方は一度確認してみてください。あわせて、電卓選びも大事ですよ。
元簿記講師のまとめ
- 会社の出来事のうち、書くのは簿記上の取引のみ
- 勘定科目は暗記する必要あり
- 「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」の増加、減少の方向(借方、貸方)についても暗記する必要あり
- 仕訳をたくさんすることが合格への近道
元簿記講師からは以上となります。次回は、総勘定元帳等への転記時のルールについて学んでいきます。
※ なお、この講義内容は個人の見解により作成しておりますのでご了承ください。
先日、私の職場に新たにこられた派遣の方は、非常にこちらが伝えようとしていることについても理解が早く助かっております。やはり簿記の学習経験は大切ですね。転職を繰り返した経験者からのアドバイスとしては、どの会社に勤めることになるかは、運や縁のところも多いので、今の売り手市場では早く行動を始めた方が吉です。そのあたりについてはこちらで見てください-人材不足!経理事務職って人気無い?-。企業は1度採用を決めると、その次はなかなか無いものです。特に事務職の場合は・・・。まだ勉強を始めたばかりの初心者だけど早速行動してみようと思われた方は一度確認しましょう!。
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