こんばんは、元簿記講師です。
今日は、転記の仕方についてお話していきます。よろしくお願いします。
前回の講義(帳簿の書き方:初心者が最初に学ぶべき事)にて仕訳のルールについて解説しましたが、今回はその後の色々な帳簿に書き写したりしながら、貸借対照表と損益計算書を作成するまでの流れを一緒に見ていきましょう!
主要簿
簿記上の取引⇒ ①仕訳帳に仕訳 ⇒ ②総勘定元帳に転記 ⇒ 試算表に集計
↓→→→補助簿(売掛金明細表等)の作成(必要に応じて)
この流れが 日常の仕訳をして帳簿に転記(書き写す事です)、そして月末などに試算表にて全ての勘定科目の金額を集計する作業になります。私もこの仕訳を毎日会社で業務としてたくさん処理しておりますが、実際には仕訳をパソコンへの入力して、総勘定元帳は自動的に集計されているのですが、実務の話は一旦置いときましょう。
この中の、①仕訳帳と②総勘定元帳のことを主要簿と言います。また、売掛金明細表や商品有高帳等の必要に応じて作成する帳簿のことを補助簿と言います。この帳簿の作成に関しては、日商簿記検定3級の試験問題にて第2問に(予想配点10)出題されることが多いため試験の合格を目指すには抑えなければならないポイントとなりますので皆さんしっかりと学習しましょう。
次に期末(簿記3級では個人商店対象なので12月31日)で行う処理についてみていきましょう。
総勘定元帳⇒ ③決算整理前残高試算表の作成 ⇒ ④決算整理仕訳 ⇒ ⑤帳簿締処理 ⇒ ⑥貸借対照表及び損益計算書の作成
これが、期末に行う作業の流れとなります。中身は違いますが、やってることは日常の処理と同じで、処理すべき内容を仕訳してそれを転記して集計しくというのがおおまかな流れです。
決算整理仕訳
日々会社で起こった取引を仕訳し、総勘定元帳へ転記した内容を集計して試算表(これを決算整理前残高試算表といいます)を作成します。そして、この試算表の残高を確認しながら、決算整理仕訳と呼ばれる処理を行います。決算整理仕訳とは、簡単に言うと、これまで仕訳してきた内容に誤りがあった場合に修正を行うため新たに仕訳を追加することです。(例えば、現金の残高が合わない等)実務でも、たまーに現金が合わないなんてこともあるので実際に起こる処理です。しかし、実際は決算修正仕訳と言えば「これ」、というのがあるのですがそれについてはまた後日お話いたします。
財務諸表の作成
先ほど作成した、決算整理前残高試算表に決算整理仕訳を加え、一つの表にまとめます(これを精算表といいます)。そして、それをもとに貸借対照表(会社の持ち物の一覧表)と損益計算書(会社の成績表)を作成していきます。簿記の学習範囲ではないですが、この貸借対照表や損益計算書を使って税金の申告や銀行からお金を借りたりします。この、「決算整理仕訳」、「精算表の作成」、「貸借対照表および損益計算書の作成」3つの分野より日商簿記検定3級の試験問題にて第3問に(予想配点30)、第5問に(予想配点30)出題されることが多いため非常に大切な内容となります。講義の終盤にこの辺りを学習することとなるので、その際には注意して学習を進めることをおすすめします。これまでをまとめるとこんな感じです。
結局は・・・
以上がこれから、学習していく簿記3級の流れ(学習内容)となりますが、やはり基本となる仕訳の部分が最も大切で、基本をしっかりと理解していればその他の部分はその応用で何とかなると私は思いますの、ぜひ皆さんには、仕訳のやり方をしっかりをマスターしてくださいね。
元簿記講師のまとめ
- 会社の帳簿には主要簿と補助簿がある
- 主要簿は仕訳帳と総勘定元帳のこと
- 日々の業務は仕訳帳と総勘定元帳の作成
- 年度末には残高を試算表にまとめ決算整理仕訳を行う
- 残高を集計し貸借対照表と損益計算書を作成する
- 全ては仕訳である
上にも書いたとおり、仕訳ですよ、仕訳、仕訳をマスターすれば怖いものなしです! これから出てくる内容なんて問題なしです!元簿記講師からは以上となります。
※ なお、この講義内容は個人の見解により作成しておりますのでご了承ください。
追記。次回からは、実際の取引である商品売買取引(品物を買ってきて、それをお客さんに売る)について学ぶ予定でしたが、その前に一度この導入部分のまとめをやりたいと考えております。それではまた次回お会いいたしましょう。
簿記3級基礎