こんばんは、元簿記講師です。
決算処理のため毎日仕事量が多い毎日を過ごし、ブログ更新のネタを考える時間も取れないので、うんざりしております。
そこで、逆にこの謀殺される業務内容について今回のブログネタにしてやろうと思い、書き出し見ることにしました。
また、その中からみなさんの転職やキャリアプランに役立つ情報を合わせてお届けします。
私が思う転職に役立つ経験とは?
その経験で即戦力となるのは次の2つ。
1.経験した人が少ない業務
2.どの会社に行ってもやり方が変わらない税金計算等の業務
下の表中にて、1の業務を赤字、2の業務を青字としてみました。
経理の人は何やってるの?
経理で働いている私がよく口にし、全ての業務がそこへ向かっているともいえるのが決算というものです。
この決算には種類があります。
・月次決算
・四半期決算
・期末決算(本決算)
決算についてですが、ざっくり言いますとそれぞれ期日までの数値を集計する作業で、その結果を基にして業績(もうかったとか損したのことです)等を計算し、さらに予算(会社の目標)や前年実績と比較して、今後の方針を考えたりするのに使います。
上の3つはそれぞれ、処理を行うタイミングが異なり毎月~毎年(例外あり)となっており、詳細はつぎのとおりです。
月次決算
毎月の定型業務で、月末にて締め処理を行う仕事になります。
この1カ月間に損した得した、その金額は?といったことを計算するのが目的
主な業務としては
・現場からの経理処理等の質問に対する回答
・現場の小口現金補充
・経費の支払い(現金、電子振込、窓口納付)
・税金の支払い
・手形、小切手の銀行持ち込み
・支払経費伝票起票
・未払経費の計上
・固定資産取得処理
・減価償却費の計上
・売上の計上
・原価計算
・月次損益計算書作成
・月次貸借対照表作成
・会議への報告資料の作成
四半期決算
・決算修正仕訳
・棚卸
・法人税等計算
・会計監査対応
・決算承認資料
・四半期決算短信作成
・四半期報告書作成
期末決算
・決算修正仕訳
・棚卸
・法人税等計算
・消費税計算
・会計監査対応
・決算承認資料
・決算短信作成
・有価証券報告書作成
・法人税等税務申告書作成
・株主総会対応
その他随時処理
・内部監査対応
・J-SOX監査対応
・税務調査対応
・銀行への業績説明
・都道府県、市町村への届出書他提出
・都道府県、市町村問い合わせ対応
・償却資産税申告
これまでの私の経歴まとめ
・2回の転職と転籍によって4社を経験
・会社の規模は、未上場企業、上場企業 (中小)、上場企業(大)
・勤務した会社の業界は3種類
・未経験からはじめた経理職
この経験を踏まえて、上記した経理の業務内容を会社規模によりグルーピングしてみました。
未上場企業で経験した業務
・現場からの経理処理等の質問に対する回答
・現場の小口現金補充
・経費の支払い(現金、電子振込、窓口納付)
・税金の支払い
・手形、小切手の銀行持ち込み
・支払経費伝票起票
・未払経費の計上
・固定資産取得処理
・減価償却費の計上
・償却資産税申告
未経験での入社からのスタートなので、転職するまで基本的な業務ばかりとなっております。その中でも「償却資産税申告業務」については転職時に税金関係の業務だからどのでも同じだろ!と考えて面接時に毎回アピールしていたことを思い出します。
今考えると、使用するシステムによって書類の作成手順等はかなり異なるのでそこまでのアピールかなとも思いますが、税金関係の業務はあまりシェアがされませんので、前任者の方が担当していた業務であれば大きなアピールとなります。
上場企業(中小)で経験した業務
・現場からの経理処理等の質問に対する回答
・経費の支払い(現金、電子振込、窓口納付)
・税金の支払い
・支払経費伝票起票
・未払経費の計上
・固定資産取得処理
・減価償却費の計上
・売上の計上
・原価計算
・月次損益計算書作成
・月次貸借対照表作成
・会議への報告資料の作成
・決算修正仕訳
・棚卸
・法人税等計算
・消費税計算
・会計監査対応
・決算承認資料
・決算短信作成(四半期も含む)
・有価証券報告書作成(四半期も含む)
・法人税等税務申告書作成
・株主総会対応
この時期が最も色々な仕事をしていました。
上場はしているが管理業務(経理や総務等)を担当する人員が少ないため(この時は私を含め4~5人)仕事が多く、多忙な時でしたが、上に示した色が付いた業務も多く、多くの会社で行われる共通業務については一通り経験することができたのではないかと思います。
もしこれ経験を得るのが、10年早ければ私の今の状況も違ったものとなっていたと思います。
上場企業(大)で経験した業務
基本的には上の上場企業(中小)で経験した業務とほぼ変わりません。
海外子会社や連結決算を行っているので、連結決算、連結納税が加わった程度です。
逆に大きくなったことによって業務分担が進んで、株主総会準備などは関わらないこととなりました。
一番色々な経験をしたのは中小の上場企業でしたが、そこでは経験できないものが今勤めている会社にはあります。
しかし、規模が大きいが故に業務が分担されて色々経験できないという所もあるのでどちらが良いのかは一言では言えないと思います。
そして、忘れてはいけないのが、「現場からの経理処理等の質問に対する回答」です。
残念ながら、私の経験上管理部門は他部門からあまり好かれていることがありません。
色々とめんどくさいことばかり言うのがその原因です。
それが私達の仕事なんですが、他の部署からすると「それが重要なの?」ということが多いようです。
そこで、現場から経理処理等に関する質問があった場合は、必ず丁寧に対応し、こちらからの依頼にも積極的に対応してもらえるような関係づくりが重要となります。
これは、転職というよりは会社の中で管理部門として生きていくためのテクニックと言ったところでしょうか。
元簿記講師のまとめ
- 転職に有利な実務経験は2つある
- 中小の上場企業は経験の宝庫だか、ハードワーク
- 大企業でしかできないこともある
- 経験のあるなしは転職で非常に大きい
元簿記講師からは以上となります。